妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

マンガJIN-仁から 医療についてちょっと考えてみよう

こんにちは。すっかり暖かくなってきたと思ったたら、花粉がすごいことになっていますね。僕と長男(8歳)は、目、くしゃみ、鼻がすごくて、ティッシュが離せない日々です。

おととい、妻のブログに負けていてくやしいよ~と、つぶやいたところ、たくさんの方がフェイスブックでシェアなどしていただき、応援、ありがとうございます! 
立ち会い出産の記事は、共感したとの声も多くいただき、うれしいです(メリット・デメリットある話なので、ぜひご夫婦でゆっくり話してみてください~)。出産・子育てネタもたまに書こうと思います。

さて、先日、オススメの歴史マンガについて書きました。

(なんとなく歴史が学べるマンガたち)
http://ameblo.jp/senoom/entry-11476548032.html

いくつか重要なマンガの紹介を忘れていたのですが、そのうちのひとつが「JIN-仁」です。以前、ドラマも人気でしたが、マンガ、やはりいいですね。このマンガでは、平成の時代に脳外科の専門医をやっていた南方仁が、ある出来事をきっかけに幕末にタイムスリップしてしまい、当時の限られた薬や器具、スタッフの中で、貴賎の別なく命を救うために奮闘する姿が描かれます。

坂本龍馬、西郷どん、勝海舟など幕末のオールスターが出てきますし、歴史の流れや当時の江戸の風土・風俗もよくわかります(遊郭の話も興味深い)。このマンガは、ほんと、いろんな読み方ができると思いますが、歴史のおべんきょうというよりは、
現代の医療について考える、すごくいい材料になります

JIN―仁― 1 (ジャンプ・コミックスデラックス)/集英社
¥530
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仁では、いまの医療のすごいところを伝える一方で、問題提起もしているように感じます。2点ほどピックアップしてみましょう。

1つは西洋医療と漢方との関係です。当時の江戸幕府での、従来からの主流派である漢方医(本草学)と、蘭学から来た新興勢力である西洋医療との間の確執、権力争いに言及しています。しかし、主人公の仁は、漢方のことをあまり知らなかったのだけれど、その効用を江戸時代に行って気づき、西洋医療と漢方との両方のよさを引き出していくことが大事ではないか、という思いに至ります。

もうひとつは、スペシャリストとジェネラリストとの関係です。南方仁は、脳外科の専門でありましたが、江戸時代に来ると、専門外のことも、どんどんやらないといけなくなります。もちろん、スペシャリストがたくさんいれば、またはスペシャリストの医療をたくさん提供できる(or 受けられる)時間とお金があればよいのでしょうが、当時の江戸時代は、そんな人員も、時間・金の余裕もありません。そうした中では、南方仁の専門分野以外の医療知識が随所で役立っていくことが描かれます。

この2点は、たいへん現代にも示唆的です。僕は医療の専門家ではないので、正確ではないかもしれませんが、大雑把に言って、西洋医療だけでは対症療法には優れていても(たとえば、大けがをした人への外科手術や、風邪薬を処方してもらうことはその典型)、予防や人間の自然治癒力を高めることには十分ではありません。後者の点では、漢方のほうが有効であるケースも多いように思います。また、風邪薬がそうですが、西洋医療では眠くなる薬が多くても、漢方だと全然眠くならないのも多いようで、僕はしごとの能率も考えて、薬は漢方を重宝しています(・・・今の花粉症にも)。

また、よほどの深刻な病気の場合を除いて、身近な医師としては、ジェネラリストのほうが市民にとって有難いものです。さまざまな専門分野の知識をもち、初期診療の頼れる相談役になるのが、「家庭医」と呼ばれる医師です。下記のNHKニュースなどがわかりやすいのですが、家庭医は、患者のさまざまな悩みを聞き出し、薬を処方したり、あるいは専門医を紹介したりします。

(NHKニュース 動画)
http://www.youtube.com/watch?v=o8slwXt-Ers

(日野原医師の記事)
http://www.yomidr.yomiuri.co.jp/page.jsp?id=58225

おそらく、これだけ高齢化が進む中、複数の専門にまたがるような病気やその疑いを抱える患者も増えているでしょうし、医師不足の深刻な地方では遠方の専門病院まで行くのは大変でしょう。いまは、江戸時代とは違いますが、医師の数や、時間、金という制約が大きいことは同じ。そうした中、仁のように、ある程度ジェネラルに見てくれる医師は、どれだけ心強いことだろうと思います。

実は、上記2点で、うちの家族がファンな先生が葉山にいます(下記HP)。ひでか先生は漢方も詳しくて、予防医療にも熱心です。また、いろんな相談にものっていただけるので、ついついよくしゃべってしまいます。うちの子どものこの先生なら病院嫌いはなく、喜んで行きます。マンガを読みながら、そんなこんなことも考えた花粉症です。

(ホリスティック メディカルクリニック)
http://www.hm-clinic.com/