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妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

学校や自治体は数値目標とどう付き合うか①

学校づくり

休日前の深夜、湘南ビーチFMでジャズを聞きながら、まったり和風なことを考えています。

今日もある学校の方とディスカッション(ヒアリング)しました。この中学校では、数年前までは、学力が県や全国平均よりも相当下だった(市内で最下位クラス)のですが、今では県、全国平均を上回るようになっている(市内でもトップクラス)、とのこと。どんなストーリーがその間にあったのでしょうか。

いろんなことが影響しているのでしょうが、校長によると、一番は基礎・基本を徹底させたことにあるそうです。基礎・基本とは、中学校の学習にあたっての当たり前とも言えることで、授業中は私語を慎んで話を聞く、授業の最初には前の単元の復習をやってから入る、宿題などの提出物はちゃんと出させる、などです。これらは以前からもしっかりやろうと、管理職は生徒にも教職員にも声をかけていたでしょうが、徹底していなかったそうです(たとえば、宿題をどの程度出しているのか、きちんとチェックできていなかった)。

僕はちょっと意地悪なコメントをしました。「なるほど。今まで80点だった子が90点以上になるにはかなり大変だろうけど、50点だった子が80点になるのは、基礎・基本をきっちりやることで可能性が高いですね」。

おそらく、校長は長年の経験とカンから、基礎・基本の徹底が授業規律を高め、学力を伸ばすことにもつながることをよく知っていたのでしょう。この学校のように、そうした手のうちはぜひ共有してもらいたいと思います。ある熱心な特定の教員だけがやるのではなく、全校で展開して、手ごたえを確認しながら検証・改善を図るところがすばらしいと思いました。

この中学校では、全国学力・学習状況調査や県の学力調査、市独自のテストなどを活用して、学力の伸びや単元別の弱点などを定点観測しています。ちなみに学校のHPをみると、これらのテストの結果と分析結果、改善策などを明記したシートを見ることが可能です。

「学力は取り組んだことが結果として現れやすいので、教職員にとってもよい情報だし、なによりも、生徒の自己肯定感、やればできるという気持ちにつながる」という校長のコメントが印象的でした。たしかに、部活動で全国大会出場といった目標は不可能ではないですが、短期的に達成するのは至難の技です。長年の伝統校のほうがもともと上手い子が進学してきますし、専門性のある指導者がいるかどうかなど、学校の努力だけでは如何ともしがたいところの影響が大きいです。その点、学力のほうが、東大に行くとかは難しくても、全国平均を上回るかどうかや、基本的な問題について生徒の正答率を上げるといったことは、学校の努力により達成できる可能性が大きいし、短期的に結果として出やすいのだと思います。

学力とはなんぞやという話をしだすと、また大変ですけれど。。。数値化しやすい客観データをしっかり観測して、組織運営に活かすという、ごくごく企業経営などでは当たり前のことなのですが、これを、どの程度徹底できるかで、学校のパフォーマンスは大きく異なってくると思います。ためしに、みなさんのお子さんが通っている学校や母校のHPをチェックしてみてください。学力テストの結果の公表もしていない学校は多いですし、分析結果・改善策を公表している例はまだまだ少数でありましょう。

この校長、学力テストの結果だけよければよいなんて、微塵も思っていませんし、教育活動、殊に公立学校では、学力テストでは現れないことで大事なことがたくさんあることはよくご認識されています。しかし、うまく数値を活用することで、教職員向けにはモチベーションアップや説得力(この取り組みは学力にもちゃんとつながって、生徒の進路実現にすごく役立つから、あなたの授業でもやってみようと説得できる)につなげているわけです。また、生徒の自信アップや保護者・住民向けに応援団を増やす材料にもなるわけです。

僕は、この学校は、数値目標や数値化して確認できるデータとうまく付き合っている例だと思います。

数値目標に振り回されたり、学校評価などのシートを作成するために、とりあえず数値は取ってみているけれど、分析や改善策の立案がアマアマな例は、多くあります。数値目標がすべてかなんて、すべてじゃないの当たり前なのに、ゼロか百かで考える教職員が少なからずいるのもどうかなと思います。

学校のみならず、自治体でも数値目標は多くの計画などで並びます。でも、その数値目標がとるだけとか、評価のための評価作業となっていることが実に多い。学校や自治体では数値目標について、次の点がちゃんとできていないことが多いです。みなさんもチェックしてみてください。

①最終結果だけを見ている。または結果と取組の間を検証できていない。
②学校や自治体のコントロール外の目標を重視している。
③数値の羅列となっており、一貫した道筋やストーリーがない。
④その目標を立てた背景にある思いや問題意識を共有できていない。

※記事が途中で消えてしまったので、続きは後で書きます。