妹尾昌俊アイデアノート

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半沢直樹がやっぱり面白い理由

僕はかなり流行にうといのですが、最近は、東京オリンピックあまちゃん半沢直樹の話であふれていますね。今日は半沢クンについて取り上げましょう。僕は5話くらいからしか見ていないので、正確ではありませんが、ドラマの中のセリフ、「倍返しだ!」や「半沢じっちょ(お姉語)」がたびたび頭の中でリフレインされています。。。

前回は瞬間視聴率40%超えらしいです。どうして半沢直樹は大人気なのでしょうか?自分なりに答えを思いつきました。

まずは他の人がどういっているか、ちょこっとだけ検索した結果を紹介しながら解説。

①勧善懲悪でわかりやすい、という説。
たとえば、下記の毎日新聞の記事の中では、「勧善懲悪がはっきりしていて分かりやすい。威勢のいいたんかは「水戸黄門の印籠」代わり」とあります。
http://mainichi.jp/select/news/20130825k0000e040113000c.html

たしかにわかりやすいストーリーなのですが、しかし、勧善懲悪という単純な構図ではないよなと思います。同じ記事にあるように、半沢は手段を選ばないずるさがある、いわば「清濁併せのむヒーロー」像。疎開資料隠してるし。それに、まあ、敵方はいかにもいやらしい性格(でも俳優さんの名演技のため、わざとらしさを感じずに引き込まれてしまう)なのですが、常務にせよ、金融庁にせよ、各々の組織や人の理屈があって動いていますよね。悪といってのけるのは、乱暴だろうなと思います(不正がよいと言うつもりはないけど)。

②原作の面白さと堺さんのハマリ具合
こちらは監督がそう言っています(下記のインタビュー記事)。たしかに①の点を含めて、原作がよいというのはたぶんあるのでしょう(僕はまだ読んでませんので、判断できないが)。また、言うまでもありませんが、堺さんはすごい。他のキャストもすごいけど。でも、それらだけの理由だと、なんか物足りない気がします。だって、世の中には原作も俳優もよくても、ヒットにならない作品はたくさんあると思うし。
http://news.livedoor.com/article/detail/7946083/

③イワシ化しない半沢
それで、僕なりに納得した答えは③なのですが、この監督の記事にもあるように「半沢直樹の魅力は、自分の信念を曲げないこと」。

ちょっとこの言葉を拡大解釈していきますが、今の世の中、特に日本人って、周りの空気や時流を読むってことにすごく気遣いますよね。岡田斗司夫さんが面白い比喩をつかっていて、「イワシ化する社会」。

つまり、イワシって集団で泳いで、右見け右的な動きをします。先日紹介したホリエモンの本にも書いていましたが、世論で一度悪者のレッテルを貼られると、みんなあまり深く考えたりせずに、事実関係を見ないで、悪ってしちゃう風潮があるのではないか、という指摘にも通じます。

メガバンクのような巨大組織の中にあって、多くの人が組織の論理、たとえば、上司の命令は絶対だ(ましてや役員からの勅命は至上命題みたいな)とか、出世するにはこのルールははずしちゃいかん、といった流れに身を置くのが普通なのに、半沢は、逆行も厭わず、銀行とは何のためにあるのか、というミッションをもって、生きている。

僕はドラマの中でけっこう感動したシーンは、「銀行はしょせん金貸しです」という半沢のセリフ。金貸しだからこと社会やクライアントに貢献できることがある一方、限界もあるということを改めて感じさせてくれました。

この半沢の自分の軸がぶれないところは、おそらく当初からメインターゲットとしていたであろうサラリーマン層だけじゃなく、ファンになるとは考えていなかったであろう、主婦層や若者層(バブルを知らない世代)などにも受けている理由だと思います。

と言いますのは、うちの家なんかもそうなのですが、たとえば、妻が育児が大変なんでたまには早く帰宅して、と言っても、仕事が終わらないので、帰りたくても帰れないことが多々あるわけです。これはまあ、会社という組織の論理を優先させているのであって、主婦層はそうした夫の生き方に今まで嫌な思いをしてきたことがあったはず。

また、若者目線から見ると、就職活動はほんと大変で、いろんな研究をやらないといけない。組織の論理にはずれないように受け答えする術を身に着けようとしないといけない。でも、その年の景気などで、就職倍率はぜんぜん違うという不条理さも世の中にはあるということをみんな感じています。つまり、イワシ化せずに、世の中の流れに逆行するなんて、なかなかできないのです、ふつうは。

半沢も猛烈サラリーマンなのは同じなのですが、それは上司の命でそうしているとか、会社の論理でそうなんだではなくて、自分の信念で突き進んでいます。いわば、出る杭は打たれるという世の中で、杭を出し続けるということをやってのけているのであって、視聴者にとっては、なかなかそうした生き方はいいなと思いつつも、できない現実がある。だから、ドラマでやってくれると拍手を送りたくなるのではないでしょうか。

ベストセラー本などもそうだと思うのですが、やはり多くの人がいいなと思う、ヒットするものには理由があると思います。それも、よく言われるように、その年の世相が反映しているということが。半沢直樹のヒットは、勧善懲悪がすかっとするぜ、とか、上司をギャフンと言わせるのが痛快といった、単純なストレス発散的な世相を反映しているのではなく、自分でミッションや軸をもって生きていきたいという深い心理のほうが影響している、というのが僕の見方です。

理屈っぽくてすみません、純粋にドラマは見て楽しんでいるんですけど。

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