妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

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大学選びは入試問題を見て

受験シーズンですね。センター試験をやめて到達度テストというのにしようという議論などもあり、大学入試のあり方は、さまざまな意見がありますが、当の受験生にとっては、目の前のことが大変なことでしょう。

最近の大学選びってどんな感じなのでしょうか?偏差値偏重と悪く言う方も多いけど、偏差値とか、模試でA判定、B判定とか出るって、当の受験生にとっては、なにも競馬やるわけじゃないですけど、確率の目安があったほうが便利ですよね。そこは同じなのかな?

それから、インターネット上の情報もこれだけ豊富になっているし、15年くらい前の僕の状況とはかなり違うことだろうなと思います。外面はいいけど、中身はどうなのかという問題もありますし、学生さんのブログやつぶやき情報なども探せば、内情も垣間見れるかもしれませんね。ただ、探すと切りないし、ネット上で表に出るのは偏った情報かもしれないとか思うと、あれこれ情報探して分析するなんて暇は受験生にはねえーよ、高校の先生にもねえーよって感じかもしれません。

それで、今も昔も変わらないのではないかと思うこと、しかも誰にとってもコストをかけずできることと言えば、「入試問題は大学の顔」ということだと思います。僕は、次の相関関係が強いと自分が高校のときも今も考えています。

入試問題がよく練られている大学
(単純に覚えてたら答えられる問題じゃなくて、受験生によく考えさせる良問ってやつを出す大学)
⇒出す側の教授陣の頭が切れる。または受験生のことをよく考えている大学だ。
⇒大学に入った後も、それなりにはよく考えた授業やゼミになることだろう。
⇒いい大学かもしれない。


まあ、実際に入ってみると、いろんな先生がおられるわけでして、必ずしも上記は真ならずの部分もありますが、それはどの大学だって、あるいは大学に限らず、どの組織だってそうだろうと思います。同じような話が就職のときもあって、面接などの面白さと言ったら、そんな余裕ねえーよってツッコまれそうですけれど、採用の手間のかけ方とか、面接で聞かれることなどを見ていると、だいたいその会社の状況や雰囲気も推測できてくるという感じがします。

今だったら、僕は大学選ぶときは、その大学の授業に潜入してみるという方法もススメマスけれど、僕なんかのように田舎出身者にとってはそれはほぼできない選択肢なわけです。高校のときに、気になる教授とか言える人は稀有だと思いますから、先生の著作を見るというのも現実的ではありません。で、誰でもアクセス容易で、しかも読んでみれば質が受験生なら分かるという情報源が入試問題だろうと思うわけです(赤本って今もあるのかな?)。

これは、既にお気づきのとおり、ある程度の難易度の高い大学でないとできない方法かもしれません。僕の場合は、京大の国語や数学の問題が面白くて受験しましたが、みごと玉砕。でも、後期で受けた阪大の小論文も面白かったです(そこに拾ってもらいました)。ちょっとうろ覚えですけど、「オランダでは大麻は合法で、それは観光客を増やす(資源の少ない国が活性化する)ことにつながっているけれど、一方で治安などいろんな問題を引き起こしてもいる。で、お前どう考える?」みたいな問題だったなあ。

高校生に麻薬の話をするんですから、面白いですよね。合法かどうかって判断が国によっても違っていて、しかもしれは正義かどうか的なレベルの話だけじゃなくて、政策的な意味(影響)を考えねばならないという趣旨だったのではないかと思います。15年前の話ですけど、こういう思考って今も大事ですし、自分のしごとにも参考になっています。こういう問題を良問って言うんだと思います。

入試問題の差が出やすいのは、圧倒的には現代文や小論文、数学だと思います。英語のように、ある程度知識を試さざるを得ない科目よりも、パターン化された解法だけでは解きにくい科目で見たほうが、よく考えた問題を出すかどうかは見えてきます。数学は公式を覚えてたらOK的な問題ではなく、うむ~って唸りながらやってみて、解けるとちょっと感動するような問題もありますよ。

いわゆる中堅クラスではセンター試験さえとれればOK的なところもあるし、今日申し上げた手法は使いづらいのですが。でも、なかにはよく考えているなあという大学もあると思います。高校や予備校で先生に聞いてみてはどうでしょうか?あまり知らないと言われれば、それは研究していない先生ですね、残念ながら。

子どもにこの大学受けなさい、とか言っている親や教師は、その大学の入試問題の質を言えるのでしょうか?まあ、親にそれを要求するのは酷か。。。でも現代文ならとりあえず読めますし、やってみると(受験生の大変さもちょっと分かるし)いいと思います。このブログの読者に受験生はほとんどいないかもしれませんが、応援してます~。