妹尾昌俊アイデアノート

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妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

お城を楽しむには、点もよいが、面だと思う

歴史もの

今日は4月6日、城の日だそうです。中学生のときだったか、両親が姫路城に連れて行ってくれまして、たまたま城の日で無料だったのをよく覚えています。お城の素晴らしさよりも、その広大さと無料だったことのことを覚えているってのも、それはそれで面白いのだけれど、今いけば当時とは別の楽しみ方もふんだんにできると思います。ちょうど今年は官兵衛で盛り上がっているのではないでしょうか。

僕は話ネタのひとつで、お城検定2級もっているという自慢をたまにします(自慢になるのか???)。2級とはまた中途半端なと言われそうですが、日本の名城100選というお城めぐりに火をつけたと言われている団体が城郭検定を始められ、その記念すべき第1回に受験したのです!2年前くらいだったか、当時は最高が2級で、1級は2級合格してからじゃないと受けられないルールでした。マークシートの記憶力頼りの試験なので、勉強したらとれます。

それで、やっと本題なのですが(最近落語好きになった影響か、前振りの話を入れるのが好きになってきたな)、お城の魅力として、個々のつくり(縄張りと言われている構造、どこの門からは攻撃しやすい、この戦いではこうだった、ここの城主はぼんくらだったけど、文化は高くて庭園はすばらしくて等々)を楽しむのも、もちろん大変よいのですが、戦国好き、お城好きな僕としては、それだけではもったいないと思うわけです。

タイトルにも書きましたが、お城を点と言ったらよいのでしょうか、単体でみる楽しみがあまりにも幅を利かせているのではないかという問題意識をもっています。日本の名城100も、大変便利なガイドである反面、各都道府県には少なくとも1つは選定されるよう配慮されていることもあり、とくに、城と城のつながりを強く意識されたものとはなっていないように感じます。

しかし、戦国時代の城をみるのであれば、城単体で戦っていたわけではないわけです、当然ですけど。日本全国あまたの小さな城跡(砦跡と理解したほうがよいものも含めて)が残っていることからもわかるとおり、複数の城が連絡・連携をとって、防衛ラインをつくったり、役割分担しながら、戦っていたわけです。なので、お城をみるなら、その単体の城を楽しむのに加えて、周辺の城との関係はどうだったか、ここが突破されるとどんな影響があったのかなどにも思いをめぐらしたほうが絶対面白い。

のぼうの城で有名になった忍城も典型。水攻めや甲斐姫の物語など、個々の城の話や魅力も大変興味深いのですが、秀吉の北条攻めの一環なので、その経緯をみると、周りの城は降伏してしまい、援軍(後詰と言います)の期待がきわめて薄い状況では、ふつうはあそこまで頑張らないわけです。そのあたりも感じながらお城めぐりをするとよいでしょう。

その点では、個々のお城をガイドした本よりも、合戦の経緯を解説した本のほうが向いていますが、お城を紹介した本でありつつ、面的な発想をもった好著として、最近新書で「城を攻める、城を守る」(伊東潤)という本が面白かったです。

うちのすぐ近所の三浦市油壺マリンパークのところが新井城跡で、北条早雲との戦いに関連していたことは知りませんでした。というわけで、僕の城好き、歴史好きもまだまだです。

新井城の戦いをめぐっては、北条早雲という下剋上の先駆者、戦国時代を始めたと言われている、おじいちゃん(本当の名前は北条ではなく、伊勢さんです)と、鎌倉・室町の伝統を引き継ぐ三浦氏あんど扇谷上杉家連合との戦いで、バリバリの、改革派VS保守派、新勢力VS旧勢力だったんですね。この本では、新井城が天然の要害で、攻めるに大変難しい城であり、さすがの早雲もおびたただしい損害が出たこと、しかし、同時にその分、守る三浦氏にとって、反撃しやすい城でもなく、後詰なしでは防戦一方になりやすい構造であったこと、その後詰を防ぐため、早雲は鎌倉の北部の玉縄に城を築いて、扇谷上杉氏からの3度の後詰をいずれも撃退したことなどの経緯がわかりました。

また、同じ北条氏のゆかりのある城では、名城100にも選ばれており、遺構もすばらくのこっている山中城(箱根の近くなので、温泉ついでに寄りたいです!)をめぐっても、周辺の城との関係(韮山城など)も解説されています。たしかに、いま通ってもわかりますが、山中城を突破されると、小田原はすぐそこです。

本書は、著者の伊東さんが作家なこともあり、ほんまでっか的なエピソードも紹介されていて、それはそれはとっても面白いのですが、信ぴょう性が怪しいところもあります。たとえば、謙信暗殺説など。それはそれとして、点と点を結び面的にお城を楽しむうえで、軽いし(これ旅のおともとしては超重要)、内容は厚い・熱いので、強くおススメです。

繰り返しますが、当時と変わってなければ、今日姫路城に行くと無料ですから。

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