妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

学校マネジメントの講演@近江八幡

学校づくり おススメ

今日は滋賀県の公立小中学校の事務職員さんの研修会に呼んでいただき、ちょっとした講演をしました。

最初に、ある学校の実際の経営計画をみんなで読んで、どんなところがよいか、またどんなところが要改善点か(伝わりにくいかなど)を軽くディスカッションしてみました。そして、やっぱり、ここが曖昧でわかりづらいとか、当たり前のことしか書いていないとか、大事なことを端的に述べている点はよいなど、いろんな意見が出ました。僕からは、経営計画ひとつとっても、学校マネジメント以前の問題がいろいろ分かりそうな気がします、ということと、今回のようにわずか5分や10分見ただけで気づくようなことを、なぜ学校は見直せていないのでしょうか?という点を問題提起しました。

こうした話は、ほんとは校長らに見つめなおしていただきたいポイントなのですが、事務職員は校長らが気づかないことを言えたり、情報共有したりできますよ、という内容も少しお話できたと思います。小中学校、高校の多くでは、教職員のみなさんは十分がんばっていると思いますし、管理職のキャラやマネジメントスタイルにもよりますが、ちょっとした気づきを共有できるような場がもっとできるといいですね、という話をしました。



質疑応答の時間は、最初はみなさんシーンとして、ちょっと気まずかったのですが、、、勇者の方が3人発言してくださいました。ありがとうございました。だいたい、次のような会話をしました。いずれも正解がある世界ではありませんが、少しでも、参考になれば。

Q:保護者は子どもを預かったもらっているし、学校に文句を言いにくい。その点、事務職員は(保護者の気持ちもよく分かっているし)もっと情報を伝えていける役割があると思う。でも、若い職員も増えている。若手だとなかなか言いにくい。どうしたらよいと思うか?

A(妹尾):アイデアを付箋にして、わいわいやるワークショップ型の研修を経験されたことがある人も多いと思います。そうしたスタイルなら、あまり経験年数や立場に関係なく、アイデアを出せると思います。問題は、教職員はみな忙しいなか、そうした場を設定できるかですね。

※補足(そのときは十分説明できなかったが)
いきなり全教職員や管理職の前で若手が発言せよと言っても、一部の人しかできませんよね。もう少し小グループのほうが話しやすいに決まっています。学校の目標共有や組織学習がかなりいい方向で進んでいるなと観察される学校では、校務分掌の中でのディスカッションや情報共有が活性化しています。事務職員の場合は、分掌の中でどのような役割を発揮できるか、あるいは入っていけるかも考えたほうがよいかもしれません。


Q:地域の方がボランティアで学校支援に多く入ってくれるようになりました。しかし、それらは土日の活動などが多く、教職員も付いてこい(土日付き合って当たり前だろ)的な雰囲気も感じます。どうしたらよいでしょうか?

A(妹尾):三鷹市の貝ノ瀬さんがコミュニティスクールや地域の方の巻き込みを始めたとき(当時は彼は校長)、地域の側からは、学校はラクしたいだけなんじゃないか?といった話が出たそうです。貝ノ瀬さんは、そうじゃないんです。教職員はがんばっていて、+アルファを地域にはお願いします、とねばり強く伝えていったそうです。

今の多忙化の時代、むしろ教職員の仕事を減らして、地域にお願いするというケースも出てくるだろうとは思います。いずれのケースでも、学校の現状のがんばりを地域の側に情報共有できているかどうかが重要です。がんばっていると分かると、住民の側も、土日も協力して当たり前やろにはなりにくいと思います。


Q:小学校では教職員がバラバラの方向で動きやすく、ベクトルの和をとるのがとても難しいと感じています。どうしたら同じ方向を向くようになりますか?

A(妹尾):簡単じゃないですよね(いわゆる学級王国の問題です)。ひとつは、学校の先生は、やはり子どもの姿の変化として現れてくると、子どものためということで、方向性が一致しやすいです。

たとえば、岡山市の岡輝中では、かつて荒れた学校でしたが、授業で取り残される子を増やさない、そのためにも協同学習という生徒同士で教え学び合う方法を導入しました。その結果、たしかに教室から脱落する子が減っていき、教職員もずいぶん協働学習に取り組むようになったそうです。

これは比較的大掛かりな改革例ですが、もう少し小さなことからでも、子どもの変化を捉えながら、こんな方向でやっていったらいいですねという会話をしていけるといいと思います。

補足:
別の例は、講演の後の交流会でお話しましたが、小中学校連携。

なんとか連携は、総論賛成だけど、各論反対になりやすい。小学校の先生は中学校の先生に何がわかるんだとか、思っているときもあるし、逆もそう。しかし、例えば、中1の数学でつまずいている子は何人くらいいて、その多くが小学校3年生で習うここの単元ができない。小学校のせいとは言わないが、いっしょになってどうしたらよいか考えていかないと、学力は伸びない、といった情報共有ができるかどうか。そうしたものがない中で、小中連携という掛け声だけでも、ベクトルは合わない。情報の共有から思いの共有を図ることが重要ですね。

自分の話が役立ったかどうかはわかりませんが、僕としては考えを整理したり、深めるきっかけになりました。また、なにより、現場で様々な工夫を実践なさっている方と仲良しになれたのがよかったです。帰りの新幹線(もうすぐ新横浜)にて。