読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

自主ゼミ@横浜~チーム学校を機能させるためには

学校づくり

先日、横浜で地域と学校をつなぐ活動を展開されている、NPO「まちと学校のみらい」の勉強会でちょっとした講師をしてきました。NPOの代表の竹原和泉さんは、長く、東山田中学校区のコミュニティ・スクールの活動を発展させてきた、とても素敵なおばさま(ジブリアニメに出てきそうな)。僕は数年前に東山田の取組をインタビューしたことがきっかけで、その後もNPOの活動に時々参加させていただいています(拙著にも事例紹介しています)。みなさんも、なぜか、この人に頼まれると断れない、という人、いませんか?僕にとっては竹原さんがそうです。

今回は、拙著「変わる学校 変わらない学校」の一部を紹介しながら、昨年度大きな話題となった「チーム学校」をテーマに。「チーム学校」って聞いても、どうもぴんとこない、何からどうしようという教職員の方も少なくないと思います。それに、「チーム学校」以前からの問題にちゃんと向き合わないと、スクールカウンセラーやスクールソーシャルワーカーら専門職との連携なんて、さらに難易度の高いことです。そんな観点で、「”チーム学校”を機能させるにはー”チーム学校”以前の問題をふくめて具体的に考える」というタイトルでお話しました。

f:id:senoom:20160525090302j:plain

今回参加者も「チーム学校」を象徴するような多様な面々。先ほどの竹原さんのように、地域と学校をつなぐ方のほか、PTAの会長、高校校長、日ごろはフランスで活躍されているジャーナリスト、保健師、市職員、教育系企業の研究者らで、楽しかったです。

f:id:senoom:20160525085613j:plain

 ※内容は、書ききれませんので、ごくポイントの要約だけ載せておきます。興味のある方は気軽にコンタクトください。勉強会なども歓迎です。

f:id:senoom:20160525092058p:plain

学校をちょっとキョリを置いて、あたたかくもクールに見ると、いろいろ分かる!?

当日の白熱した質疑の一部を紹介します(一部、補足情報も入れます。)

○今日は小中学校の話が多かったが、大学改革にも似たようなところがある。教育の問題がどれだけ具体的に見えてくるか次第で、改革がまったく違ってくる。

→妹尾:やはり学校改革が進んでいるところは、以前荒れた経験などで危機感の共有がしっかりしている例も多い。しかし、危機感や問題点ばかり見ていても、人間、前向きになれるわけではない。夢というか、こんな教育をもっとしていきたいというビジョンでひっぱるケースもあると思う。

 

○学校運営協議会などで学校評価の結果を見ると、アンケートで9割が高評価などが紹介されており、私(PTA)としてはそんなに問題はないと感じていた。学校はどういうふうに課題を発見していけるのか。

→妹尾:アンケートなどごくごく限られた情報源だけで、現状を見た気になっている学校が多い。しかし、実は学校には様々な情報がすでにあり、それをうまく現状分析などに使っていけるかが課題発見では重要。例えば、個々の教師は保護者面談などで、保護者の声を聞いている。整理されていないだけで、そうしたことも大事な情報源だ。

 

○「チーム学校」って言ったときに、保護者や地域の人(学校支援をする人)って入っていない気がする。私たち(保護者や住民)も学校の一員と思って活動はしているのだけど。

→中教審の答申を読んでみても、「チーム学校」はかなり多義的に使われており、議論をややこしくしているようにも見える。僕の勝手な整理だが、チームといったときには3層ある。1つは、学校のウチの人たち、教職員が団結しましょうねという意味。中教審の答申以前に「チーム○○中」などのスローガンを掲げる学校はけっこうあったが、この意味だろう。

2つ目は、スクールカウンセラーら専門職といっしょになったチームという意味。チーム学校の答申ではここが一番強調され、関連施策も書かれている。なお、事務職員や用務員ら従来からある教員以外の職種は本来1つ目に入るが、教員集団だけでやろうとする例もかなりあり、微妙な問題がある。

3つ目は、地域との連携を含めたチーム。これだと、保護者や住民も入ってくる。中教審答申でもこの意味ととれる箇所もある。

いずれの意味でも、なぜ、うちの学校でチーム学校がどのような意味で必要なのか、よくよく捉えないと、バラバラのまま走る危険がある。

 

○学校経営計画が妹尾の指摘のように抽象的で分かりづらいという点はよく分かる。学校は意図的に(わざと)そうしているのか。

→妹尾:そうかもしれないが、学校の校長らにインタビューすると、現状分析が甘くて、ちゃんと課題の重点化ができていないケースのほうが多い印象ももっている(なので本を書いた)。ただし、子供たちに向き合う中で、いろんな問題やよりよくこんな教育をしたいという点は個々の教職員は見ている。問題はそうした情報や知恵がうまく共有され、整理され、課題の重点化を検討する場がないということかもしれない。

 

以上、自主ゼミ勉強会の報告でした。ところで、拙著について、どなたか(たぶん現役の教員の方)がamazonレビューをあげてくださいました。ありがとうございます!

senoom.hateblo.jp