「変わる学校、変わらない学校」の読書会セミナーやります~
『変わる学校、変わらない学校』は出して1年ちょっとになりますが、ありがたいことに、手に取ってくださる方がいまも多くいます。講演や研修に出ても、本読みましたとか感想をおっしゃっていただける方もいて、うれしいです。
そこで、先日読書会をやりたい人いますか?とブログで書いたところ、やりたいという学校の先生がいらっしゃいました。そこで、こんど読書会セミナーを開催します~。
師走の日曜にお金払って誰が来るんだろう?というところはなくはないのですが、ありがたいことに管理職の方や一般の教員の方、民間の立場から学校支援されている方などが参加してくださる予定で楽しみです。ピピっと来た方はぜひお越しください。
メリットとしてたとえば次の点があります。
- 著者が背景情報や執筆後しいれた情報も含めて、解説するので、本を一読するより理解が広く深くなる。
- 参加者の方の学校づくりを考え直す話題提供や悩みをぶつけるワークを用意しているので、自分事として考え、行動につなげられる。
- わざわざ日曜に来るくらい熱心な同志とつながることができる。
本を読んでいなくても、関心があれば参加OKです。好評であれば、本の内容はこの時間だけでは語りつくせないし、どこかでもやります。また、うちの地域 or 学校でも読書会セミナーをしたい、という奇特な方がいらっしゃいましたら、なるべくお伺いできればと思いますので、コンタクトください。
希望の方は終わったあと、遅めのランチ会します。料金は店次第で、未定です。
※お申込みはコチラです
ちょうど数日前にある中学校の先生からは次の言葉をいただきました。
今勤務校では、学校改革に取り組んでいるところなので、このタイミングでこの一冊と出会えたのはとてもラッキーだった。
学校教育について語る書籍のなかで、残念な印象を与える二つのパターンがある。
1 大学の偉い先生が高邁なご理論や、舶来のご理論をご紹介たまわるもの。
2 現場あがりの著者(校長先生など)が自分の経験談(という名の武勇伝??)をご紹介たまわるもの。
どちらも、立派すぎて気の小さい私には気が引けてしまう。
その点、『変わる学校、変わらない学校』は上記の2パターンのどちらにも当てはまらない、とても不思議な印象を与える一冊だ。
というのは、著者のスタンスがとってもユニーク。
学校の「中」の人間ではない。かといって、舶来のご理論をのたまうというスタンスでもない。著者自ら「翻訳者」と言っているのが言い得て妙だ。
常々感じているんだけど、学校には学校の中でしか通用しないような暗黙の常識がある。そして学校は社会の常識をなかなか理解したり適用しようとしない。そこに両者の信念対立があるし、風通しの悪さが存在する。
部活問題にしても、体育の組体操にしても、教師の多忙化にしても、いまいち「学校の外の人とは感覚が違うんだよなあ」というもどかしい思いがある。
筆者は「翻訳者」として、社会と学校との架け橋になろうとしている。その姿勢が、学校の中でも外でもない「どっち付かず」の絶妙な距離感となって筆致から伝わってくる。
つまり、「あ、この人なら、学校のことわかってくれそう!」「教師の思いを外部に伝えてくれそう」という思いになってくる。
相当いろいろな現場に足を運んで、いろいろな先生方の声を拾ってきたからだろう。
これまで文科省調査をはじめ、研修などでも全国あちこちの学校を訪問して悩みを聞いてきました。がんばっている方のよいところを翻訳して、より発展させたり、広げたりする手伝いができればと思います。
この本では学校マネジメントを語るときに、まずカルロス・ゴーン氏の次の言葉が引用されている
経営の問題点として
・会議で使われる用語の定義が統一されていない
・販売不振の原因を究明しようとしない
・目的と手段が混同されている
・目的が抽象的で具体性を欠く
・命令系統の指示が「営業はもっとガンバレ」など、具体性を欠き精神主義的
・将来のことを語るときに予測と希望が混同されているあー。これだ、学校も。
思い当たることが多すぎる!
学校マネジメントは、こういった曖昧なことばや願いをチームで共有可能な言語にしていくことをまずスタートとする。そして「到達目標の設定」「プロセスの設計」「チーム・ネットワークづくり」という三つのポイントを着実に実践していくことが基本だと述べる。ほかにも、「うん、そうそう」と膝を打ったことばが多かった。
例えば……
学校は商店街で個人店を食べ歩きするような場所。
マネジメントは単なる「やりくり」ではない。
典型的なまずい例は、子どもの姿しか目標設定していないこと。
極度の相互不干渉がある職場
個業化の背景は「授業第一主義」
「重要度は高いが緊急度は低い」ことの優先順位を低く見積もりすぎる
学校の先生は弱みを見せづらい職業
長時間労働のもたらしている最大の弊害とは、能力開発の機会損失である。
数値だけを追っていたのでは十分ではなく、人とのコミュニケーションから得られる情報が大事
「重点化」といったときに、ほとんどの人は取り組みないし施策の重点化をイメージしますが、それをやるためには課題が重点化されていなければならないなどなど。
詳しくは本書を読んでみてください。
具体的な現場の事例が沢山載っていたり、いろいろな本からの理論の紹介があるのも大きな特徴。この一冊をきっかけに、いろいろな学校を視察したり、ほかの本にあたってみようという気になってくる。
管理職や行政の方はもちろん、これから学校づくりを担っていく中堅の先生には強くすすめたい一冊だ。
とてもうれしい感想をいただきました。
読みたくなりましたか?セミナーにも気軽にお越しになってください。
◎『変わる学校、変わらない学校』引き続きよろしくお願いします~
※先日文科省のフォーラムでプレゼンしたこともあり、アマゾンランキングで1位(学校運営and 教育行政・法律)になりました。
買っていただいた方、ありがとうございました。
出版社さんからでも1、2日で届けてくれます。学事出版TEL: