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妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

国語の教科書はダメなのか?【子どもにアクティブなんとか言う前にオトナがね】

学校づくり

先日PISAの結果が出ましたが、産経新聞にちょっと興味深いコメントが載っていたので、紹介します。今日はこれを題材にちょっと考えてみたいと思います。

www.sankei.com

共感するところもあるし、ほんまかなという疑問も出てきます。インタビューに答えている三木教授、国語の専門家ではなく、情報工学の先生に読解力の解説をさせてもどうかという気はしますが、そこはおいておきます。

教員労働がブラックに近いと思われれば、教員志望者は減少し、PISAの成績を維持することは難しくなるだろう。

生徒の読解力向上とICTの活用のためにも、意欲ある人材が創意工夫した授業を展開できるよう教員の労働時間の改善は喫緊の課題である。

しかし、新聞って「喫緊の課題」って言うの好きだなあ。まあそれはおいておいて。

ここは一見そうかなと思いました。労働時間が超長い中では、なかなかいろんな道具を使ったり、工夫したりする余裕がないのは、多くの人にとって確かでしょう。しかし、読解力向上に資するような授業をするためには、労働時間改善が一番の鍵かと言われれば、本当にそうかなあ、とも思います。みなさんはどう思いますか?

 

もっと気になったのは次の箇所です。

日本の国語教育の問題は教材にある。文芸教材が多すぎ、契約文章、公的書類、広告、電子メール、規則集やマニュアルなどの教材が少ない。PISAの読解力では、文学的テキストは個人の興味を満たすものであり、「私的」に分類され、社会的内容を含む公的文書、知識を伝える教育的文書、および手順書などの職業的文書を含めた全テキストの30%の重みである。日本の国語教育内容は、人が社会生活を営む上で必要となるテキストの内容理解、利用、熟考に資するものに変えるのがよい。

ここは賛否あると思います。ディベートやディスカッションの材料にもってこいです。子どもたちにそういう活動をさせる前に、教師や大人たちがしっかり実践したいものです。

重要な指摘だとも思いますが、この箇所を読んで僕は2つギモンに感じました。

第1に、そもそも国語の教科書は文芸偏重なのか?文芸がなにを意味するのかはっきりしませんが、辞書的には「詩歌・小説・戯曲などの作品。文学」ですから、そうとらえておきます。

試しに光村図書の中学2年生の教科書の目次を確認してみました。目次だけではわからない点も多々ありますが、枕草子、走れメロス、短歌を味わう、漢詩などなどは文芸でしょう。

一方、「生物が記録する科学 ──バイオロギングの可能性」、「メディアと上手に付き合うために」、「モアイは語る ―地球の未来」など論説文や社会に関するエッセイもけっこうありそうです。これは文芸ではないですよね?

www.mitsumura-tosho.co.jp

第2に、「契約文章、公的書類、広告、電子メール、規則集やマニュアルなど」の教材をもっと増やしたほうがよいのか、どうか。この点に関連して、僕など素朴に感じることを5点付け加えます。みなさんはどう思いますか?

走れメロス

http://www.tsubasabunko.jp/special/sp1002-c.php

 

  1. 実務的な文書は社会に出たら腐るほど読むので(職業にもよりますけれど)、学校にいるうちはそんなに読まなくていいんじゃないか(つまり、社会に出てから教育される)?
  2. 反対に、詩や漢詩、古典の多くは残念ながら社会に出てからよく読む人は相当限られます。私的な興味を満たすものに過ぎないかもしれませんが、ひとつそうしたものに学校のうちで触れておくのも、いとをかしでは?
  3. 実務的な文書は慣れがものを言うところもあり、社会人になってからもある程度のスキルアップは可能です。しかし、文学などを味わうスキルや心は、その年齢ごとのよさ、強みがあるのでは?
  4. 実務的な文書を読めることも大事ですが、社会人では書くスキルも重要となります。しかし、これは読むより一定のスキルアップに時間がかかります。学校のうちにもっとトレーニングしておくなら、書くことのほうが優先順位は高いと感じます。読書感想文など限られたライティングトレーニングでは、十分ではありませんし、むしろ書くことを嫌いにさせてしまっている側面もあります。
  5. とはいえ、この専門家が指摘するように、国語の教科書や教育が今のままでいいのかはよく議論があってよいことだと思います。
    だいたい、作成する人や助言する先生たちが文学好きな方ばかりでバイアスがかかり過ぎてはいないでしょうか?むしろ自分は子どものこと小説なんか大嫌いだったという人が編集に加わったほうがよいアイデアが出るかもしれません。

いろんな意見があると思います。今日はこのへんで。

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senoom.hateblo.jp

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