妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

自分の子どもを大事に思うなら、誰に気を付けたらよいか

我孫子・松戸の痛ましい事件を見て、保護者会代表をするほどの熱心な人であっても信用できない、もはや誰を信じたらよいのか、という論調がある。たとえば、次の新聞記事。

news.yahoo.co.jp

感情的には理解できるが、一事が万事と見てよいものか?2つのギモンがある。

ひとつは、最新の犯罪統計(平成28年版 犯罪白書)を確認すると、被害者を児童に限ったデータではなくて全体だが、殺人に至ったケースで約半数が親族によって起こされているのである(この親族とは親、配偶者、子が多い)。

http://hakusyo1.moj.go.jp/jp/63/nfm/images/full/h6-1-5-01.jpg

 

つまり、データが教えるのは、自分や愛する人の命を守りたいのであれば、一番気を付けるべきは、不審者でも、知人でもない。親族ということである(ただし、これをもって不審者対策などを軽視してよいという意味ではない)。なお、犯罪の種類によって傾向は異なる点には注意。

ふたつめは、殺人などの重大犯罪よりも、交通事故をはじめとする事故死が多いことだ。下記のリンク先の厚労省のデータによると、5~9歳の死因として、不慮の事故が一位で26%である。

厚生労働省:死因順位(第5位まで)別にみた年齢階級・性別死亡数・死亡率(人口10万対)・構成割合

 

ちなみにこのデータを見ると、10代後半、20代、30代の死因のトップは自殺であり、3~5割も占めている。このほうが、純粋に数の比較だけで言うならば、たいへん暗くて深刻な現実だ。

つまり、児童の見守りや交通安全活動というのは、児童にとって顔見知りの大人が増え、その人から犯罪リスクにあう確率はたしかに存在するけれども、おそらくそれ以上に、発生頻度としては多い交通事故を、かなり回避している確率のほうが高いということではないだろうか?

 

以上2点を考えると、うちの子どもたちのことを思っても、やはり、保護者や地域の方による交通安全活動、見守りは、ありがたい存在だという気持ちに変わりはない。

 

senoom.hateblo.jp

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