妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

たかがお茶出し、されどお茶出し

連休が明けて、みなさん、お元気でしょうか?ちょっとはリフレッシュできたという方も、いや~そうでもなかったという方もいると思いますが、覆水盆に返らずですしね。五月病とか、大丈夫でしょうか?

うちは連休中、子どもが3人妻方の実家に行っていましたので、ずいぶん楽ちんでした。遠出はせず、映画館や近くの温泉に行ったりで、ゆっくり過ごしました(映画3本も観ました)。

★写真は葉山のめちゃうまパンや、ブレドールです!

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きょうは、娘の小学校のPTAの会議がありました。来月運動会があるので、その話題も。そこで出たのが、当日教育委員会などの来賓があるので、保護者にお茶出しを手伝ってもらえないか、という学校からの申し出でした。

毎年そうしてきたのだと思います。保護者10人ほど、9時~10時の間にいてくれると、ありがたいという話でした。そこで、ぼくは次のことをお話しました。

PTAはボランティアな活動ですし、お茶出しをしたくないのでしたら、断っていいと思います。教育委員会は半分、学校の身内みたいなものですし、保護者にとってお客様ではありません。むかしの男尊女卑的な発想でお母さん方がお茶出しをする理由はありません。それよりも自分の子どもを観ていたいというお考えでいても自然だと思います。でも、まあ暑い中来てくれているので、ちょっとしたことだし手伝ってもいいよ、という考え方もあろうかと思います。どう思いますか?

すると、あるお母さんが、ペットボトルでお茶を買っておいて、それを渡すことにしませんか?そうしたら、そんな手伝いの人数は要らないだろうし、飲みたくなければ持って帰ることもできるし、というアイデアを出してくれました。

少し意見交換して、その案でいくことになりました。学校としては来賓受付はするし、そのときに渡せばよいので、保護者手伝いはなくて大丈夫、ということになりました。

ちょっとしたことですが、あまり意味のないことには労力をかけず、ちょっとした勇気を出してやめる、あるいは代替案を探るということの例だと思います。

たかがお茶出しなのですが、いろいろなことが見えてきます。

保護者、それもほとんどの場合、お母さんたちの有志(≒PTA役員)がお茶出しをしてきたというのは、ちょっと考えてみれば分かるとおり、ちょっとヘンです。4点に分けてみます。

1つ目は、誰が客かという論点です。お母さんたちは学校の職員ではありませんし、対する教育委員会(または市長)は公務として給料ももらって来ています。それに、市立小学校なので、設置したのは市の教育委員会。むしろ、教育委員会のほうがホストで、保護者は客とは言いませんが、ホストではないはずです。

※来賓が議員の場合もあり、学校と議員との関係はややこしいです。しかし、この場合も、議員だって、保護者にとって客ではありません。

2つ目は、お母さんたちの無償労働や善意を手軽に利用できるので、しちゃっていた、本当にそれでいいのかという論点です。ボランティアは自ら進んでやるならいいですが、例年やっていたから今回もお願い、動員してね、というのはちょっと違う感じがします。まあ、お茶出しくらいで目くじら立てなくていいよ、と思われるかもしれませんが。

3つ目は、性別のヘンな役割分担を、暗黙のうちに子どもたちにも伝えかねないことです。受付やお茶出しを男性の保護者がやっている学校はたぶん、そう多くないと思います。代わりにテントの片づけはお父さんたちが活躍するなど、それぞれの強みを活かすのは大事なことではあるのですが、やはりどこか旧態依然とした男女の分業で動いていることを感じます。大人同士であれば、双方の合意でいいのですが、学校教育の場なので、子どもへの「隠れたカリキュラム」としての影響も考えたいです。

4つ目は、どの財布が負担するかという問題です。学校がこれまで保護者の無償労働に頼ってきたのは、ペットボトルのお茶を出すといった予算を計上していなかったこともあります。学校によっては校長のポケットマネーでお茶を買ってくるなんてことも起こりかねませんが、それもビミョウな話です。一方、学校が正式に来賓として呼んだならまだ分かりますが、(勝手に)来た来賓に税金でお茶を出すのは、いいのかなというところはあります。

さらに、これはこれでビミョウな部分もありますが、今回のお茶代はPTA予算からとなりそうです。子どもに直接関係ないのだし、PTA費として支出するものではない、という考え方もあろうかと思いますが、少額ですし、せっかく見に来てくれた方に保護者からの小さなプレゼント(まあ大げさですが)という程度のものと捉えてもよいと思います。

今回の変更でよかったかどうかは、また意見があろうと思います。たかがお茶出し、されどお茶出しというわけです。

 

ちなみに、教育委員会の方は(たぶん市長も)、市内のすべての5つの小学校を回って、各校でお茶をもらうことに例年なっているそうなので、うちはペットボトルのミネラルウォーターにしましょう、お茶ばっかりだと飽きるし、ということになりました(笑)。

 

senoom.hateblo.jp

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