妹尾昌俊アイデアノート

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【忙しい学校 どうする?】指導要録、通知表も変えられないか?

なんでも簡略化すればよいという話ではないのけど、指導要録と通知表をなんとかできないか、もやもや考えている。
通知表は、みんなもらったことがあると思う。
指導要録というのは、通知表に似ているけれど、学校が保管する書類で、児童・生徒の氏名、住所、出席状況や健康状態、学習の状況・結果などを記したもの。
 
最近まで僕はちゃんと知らなかったのだが、指導要録は、学校教育法施行規則において、作成が義務付けられているので、なくすことは(法改正がない限り)できない。通知表は法的根拠は実はなにもないものなので、作成する、しない含めて自由、校長の裁量である。ただし、通知表だけやめたとしても、どうせ指導要録を作らないといけないなら、そう教員の負担は減らないと思うし、通知表なしでは、保護者等へのコミュニケーションもむずかしくなるかもしれない。
 
いくつか調査を見ていると、通知表をつけたり、指導要録を書いたりする成績処理が先生の負担となっている。
文部科学省「教員勤務実態調査」(2006年7月分)によると、小学校の先生は成績処理(この調査では成績処理に関わる事務、試験問題作成、採点、提出物の確認、コメント記入等を含む)に1日平均1時間40分(中学校の先生の場合、1時間14分)使っている(持ち帰りも含む)。
休日残業も中学校の先生が多くを部活動に使っているのに対して、小学校では約2時間成績処理に費やしている。
 
また、文部科学省が2014年に全国の公立小中学校451校、小学校教諭3,364人、中学校教諭3,393人に調査したところ、50%以上の教員が従事する業務のうち、負担に思う人の割合が高いものは、「国や教育委員会からの調査やアンケートへの対応」、「児童・生徒、保護者アンケートの実施・集計」、「研究会等のレポート作成」、「保護者・地域からの要望・苦情等への対応」、「通知表、指導要録の作成」など。
 
実際の教員の声としても、学校で音楽(または美術、技術家庭など)担当は自分だけみたいなケースだと、膨大な生徒数の成績を付けなければならないと聞く。
指導要録は、文科省の通知で様式例が示されているが、「学校や設置者においては,学習評価の妥当性,信頼性等を高めるとともに,教師の負担感の軽減を図るため,国等が示す評価に関する資料を参考にしつつ,評価規準や評価方法の一層の共有や教師の力量の向上等を図」りなさいとある。つまり、学校や教育委員会で一定のカスタマイズはしてもよいものなのだ。
 
僕が知らないだけかもしれないが、指導要録については、多少でも簡略化したという例はほとんど聞いたことがない。むしろよく聞くのは形骸化しているという話だ。
  • 本人や家族から情報開示請求がくることもあるので、指導のなかで気になったことがあっても、ネガティブ情報は書きづらい。
  • 通知表があるのに、なぜ指導要録まで必要なのかよくわからない。
    ※校務支援システムなどのITで両者の作成・連携をしている学校も多いと思うが。
  • 各教科、観点別に細かく記載しなければならないので、手間が膨大である

きめ細かく学習評価をすることで、日々の授業に活かすということや、担任が変わってもある程度の情報はちゃんと引き継がれることなどは必要だと思う。だから、指導要録がまったくムダだとは思わない。しかし、もし、本来のそうした目的や機能が、実際はあまり機能していないとすれば、何のために膨大な時間が使われているのかということになる。

この問題は、まだあまり実態把握できていないので、安易にそう結論づけたりはしないが、実際のところどうなのだろうか???

聖域視されているテーマかもしれないのだが、、、文科省も様式は参考案と言っているのだし、教育委員会で見直している例は出てこないものかな???

 

★今日はここまでにします。また近いうちにアップします。

 

senoom.hateblo.jp

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