妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

ぼくが中学生だったころ

みなさん、こんにちは。うちは4人の子育て中なのですが、ついに、一番上の子が昨日中学生になりました!

長かったような、あっと言う間だったような。入学式をおえて、昨夜はお祝いに長男のリクエストにより、焼き肉食べ放題に行ってきました。今朝もまだおなかが重いです。

※写真は中学校の風景。地元の公立です。30年前のバブリーな時期に建てられたせいなのか、概観はとてもオシャレです。

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最初の学活で担任の先生が、「中学の頃は一番こころが伸びると思う」とおっしゃっていたのが、とてもこころに残りました。また、校長先生は入学式で、「学校は安全に失敗ができるところ」ということを強調されていました。とても大事な視点だと思います。

うちの子にかぎらず、みんな、いろんな体験をして、ときには恋もして、失敗や試行錯誤しながら大きくなってほしいです。

ぼく自身は、中学の頃はとてもいい思い出も、恥ずかしい思い出も、たくさんあります。部活も、教員の負担という意味ではもっと持続可能なかたちにしたいという思いはすごく強いですが、同時に、自分の体験としては、すごく成長させてもらった感謝でいっぱいです(ちなみに、ソフトテニス部と音楽部を兼部するという、ちょっと変わった中学生でした)。

以下は、拙著『変わる学校、変わらない学校』のあとがきに書いたことを載せておきます。

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 学校教育については、実に多くの方が、自身の経験や思い入れから語ります。それは、大変エネルギッシュで、社会を動かす力になることもありますが、ときとして、主観的で、根拠が危ういものになるケースもあります。一方で、現状を客観的にうまく説明できたとしても、そのメッセージは児童・生徒を目の前にして一生懸命毎日を送っている教職員にとっては、言われる前から自明のことであったり、「ではどうしたらよいのだ?」と問いたくなるケースもあったりします。

 そこで本書では、なるべく学校現場からは“付かず離れず”の立場で、優れた取組を展開する学校と停滞する学校、つまり「変わる学校、変わらない学校」の違いから得られたヒントを、なるべく理解しやすく、行動しやすいよう“翻訳”してきました。

 とはいっても、私自身本書を書き続けられたのも、教育問題に取り組もうと思ったのも、ある思い入れがあるからです。それは、中学生のときの原体験から来ています。徳島の人口1万人少しの町のたったひとつの中学校(現在は合併して1校ではありませんが、阿波市立市場中学校)は、当時、県内でもワースト5に入るという、かなり荒れた学校でした。生徒が吸ったタバコの吸い殻はあちこちに落ちているし、夜に窓ガラスが割れるし(尾崎豊の曲みたいですね)、女子生徒が女子を入院させる暴力事件もありました。

※写真は息子の中学校に飾ってあった詩の一節

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 これはなんとかしなければということで、当時県内でエース級の熱意と生徒指導や学級運営に実績のある先生が集まって編成されたのが、私がいた学年でした。中学生だった自分にはマネジメントや組織運営についてわかるはずもありませんが、この学年は、教員個々の力量以上に、学年チームとして目標を共有し、まとまっていたという肌感覚があります。今思えば、ずいぶん多忙化した職場だったと思いますが、勉強に付いていけない生徒には細かく放課後に勉強を見ている先生も複数いましたし、生徒指導は担任や分掌にかかわらず、学年全体や学校全体で取り組んでいました。

 「学校は変われる」―そう確信したのは、この中学校のときの体験からです。大人になって多くの学校を訪問調査したときは、「素晴らしい取組をしている学校や熱心な教職員は市場中だけじゃない、うれしい」と感じたものでした。

 本書は、「そんな優れた取組をもっと広げられないだろうか?」、「熱心な教職員が異動した後も継続して発展するようにできないだろうか?」と問い続けた結果をまとめたものです。すでに何度も繰り返していますが、「到達目標の共有」、「プロセスの設計」、「チーム・ネットワークづくり」という3点と、それらをつなぐ戦略をもって実践することが、「変わる学校と変わらない学校」の分岐点にあることを具体的に見てきました。さらには、学校の組織力を高めていくことが、地域づくりにもつながり、両者には相乗効果があることについても触れました。

 本書ではさらに分析や検証が必要な点もあろうかと思いますが、日本中の学校と地域がよりよくなるきっかけと継続に、少しでも貢献できれば、幸いです。ご感想やご意見、うちの学校はこんな取組をしているよという情報は、ぜひ本書の交流用のfacebookグループページ(本書名で検索してください)または筆者までお寄せいただけると、とてもうれしいです。

 ここに来て、つくづくアインシュタインの次の言葉を思い出します。

 

「過去から学び、今日のために生き、未来に対して希望を持つ。大切なことは、何も疑問を持たない状態に陥らないことである。

Learn from yesterday, live for today, hope for tomorrow. The important thing is not to stop questioning.」

 

「教育とは、学校で習ったことをすべて忘れた後に残っているものである。

Education is what remains after one has forgotten everything he learned in school.」

 

本書を市場中学校の恩師の三橋先生、尾崎先生、西山先生らにささげます。

 

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きょうはこれから朝ごはんと弁当をつくるので、このへんで。

シュフ・シェフですから(笑)

ひとつお知らせです。文科省の学校業務改善アドバイザー派遣事業というのが今年度スタートします。ぼくもアドバイザーのひとりとなっています。少しでもお役に立てればうれしいです!

※日経新聞2017年4月5日朝刊 社会面に名前が出たのははじめてだわ。。。

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※こちらの文科省ウェブページにも関連情報があります。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/uneishien/detail/1384196.htm

変わる学校、変わらない学校―学校マネジメントの成功と失敗の分かれ道

変わる学校、変わらない学校―学校マネジメントの成功と失敗の分かれ道

 
★ちょっとお知らせ~
4月15日に学校の多忙化をテーマに、「元気な学校づくりゼミ ~”部活のこれまでとこれから”から考えよう~」の勉強会を開催するよ。参加者募集中です。

www.kokuchpro.com

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