妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

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【学校の”当たり前”を見つめなおそう】修学旅行は”修学”になっているのか!?

今日は、愛知県の田原市で中学校の校内研修会の講師をしました。

学習指導要領改訂の背景を解説して、いまの中学校教育のままでいいんでしょうか?と問題意識を高めるワークをしました。

残念ながら、一般論として、ほとんどの小中学校の教員は学習指導要領改訂の背景や理念を理解していません。英語が増えるとか、そういうことはよく知っているかもしれませんけど。目の前のことで大変な毎日だということはわかりますけれど、大きな理念やその背景にある社会の大きな変化を踏まえておかないと、いい教育、いい学校になれないですよね?

 

ところで、ここ田原中学校はとてもがんばっています。

例年5月にやっていた修学旅行を昨年から11月に見直しました。

なぜか?

ふるさと学習を中3の春から秋にしたいからです。そして、田原の良さを修学旅行先の東京の人に生徒が発信する学びをやるためです。

たとえば、JAや市役所の東京事務所とも連携して、田原産のキャベツなどの特産品を生徒がPRする場を設けます。でも、東京では、忙しい人も多いなか、子どもたちがPRしても、無視されたりするなど、生徒にとって、つらい経験、心が折れそうになる経験もさせることになります。でも、そこから乗り越えてがんばる力をつける、試行錯誤する体験を積むのも教育、修学旅行の”修学”たるゆえんだ、というのです。

なんともしびれる話です。

 

日本全国で修学旅行は行われていますよね。やっていない小中高はほとんどないのではないですか?

で、問いますが、本当に”修学”になっていますか?

みなさんの学校ではどうでしょうか?次の問いに答えてください。

  • なんのための修学旅行ですか?物見遊山といいますか、楽しい思い出作りになります、で満足していていいのでしょうか?
  • 保護者等にも生徒にも、そういう話はしていますか?
  • 6~9万円とか、家庭にとっては相当重たい負担がかかる旅行です。家族でパック旅行すれば、半額以下で済むでしょう。で、その金額と教職員の多大な準備時間をかけるくらいの効果はあると、胸をはって言えますか?
  • そもそも、修学旅行のねらいや目標を自信をもってアツく語れる教員がどれほどいるのでしょうか?例年、東京(あるいは京都など)に行くことになっている。それじゃあ、説明になっていませんよ。
  • どうせやるなら、もっと主体的で対話的で深い学びができる修学旅行にしませんか?

修学旅行は、敢えて申し上げますが、費用対効果、時間対効果が高いものにはなっていない学校が多い気もします。あなたの学校はどうでしょうか?

 

★写真は田原中学校での昨年の修学旅行のひとこまです。

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田原中では、修学旅行でこうしたマジメな学び、体験も重視しています。かつ、ふるさと学習と関連づけた教育をです。

でも、そういうカタイことばかりでもありません。東京ディズニーに行って楽しい時間も過ごします。でも、ぼくは申し上げました。「どうせディズニー行くなら、クルー(スタッフ)にインタビューしてはどうですか?ディズニーに学べというビジネス書は数多いです。クルーに仕事の魅力や工夫していることを生徒が聞いてまわれば、よいキャリア教育になりますよね。」

このアイデアが実現するかどうかはまだ分かりません(もちろんオリエンタルランド側の反応も分かりませんし)。でも、この田原中の修学旅行はもっと進化しそうな予感がします。

もう一度問います。修学旅行は”修学”になっていますか!?

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