妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

【忙しい学校 どうする?】小学校教員は専門的でないので定数は少な目、でいいのか?

今日から3連休ですね~。部活の大会とかある方は大変でしょうけど、少しはリフレッシュできそうでしょうか?

食欲の秋。ぼくは、最近すっかりセンブシュー(セブンイレブンのシュークリーム)にハマっており、糖分多めで気を付けないと。徳島県人は甘いもの好きなんですよね~。

↓写真は妻方の父のふるさとからいただいた丹波栗です。めちゃうま。

 

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さて、先日、中教審の働き方改革の部会があって、教員定数(国の標準)の決め方についての話題になりました。小学校はあらゆる教科を教えないといけなくて、1日ほとんど空きコマがない。この配置はなんとかできないか、あるいは教科担任制にできないかという話で。

まずは実態を見てみましょう。教員勤務実態調査2016年実施によれば、週のコマ数は次の分布となっています。ついでに有休取得日のデータもあったので載せておきます。

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 これを見ると、なんと、小学校では週26コマ以上が4割、21~25も34%もいます。たいして、中学校は担任をもつ、副担任をもつで違いはあるでしょうけど、21~25が5割で、26コマ以上も2割いますね。26コマというと、5時間×4日+6時間×1日ということなので、週で3コマ前後しか空き時間はないということです。その空きコマも休憩ではなく、授業準備、提出物や宿題のチェックとコメント書き、各種事務、場合によっては会議なども入ります。

 

詳しい議事録は後日公表されると思いますが、文科省の幹部の方(とても熱心ないい方です)の説明の要点として、ぼくが理解したところは次の内容です。

  • 小学校も中学校も、基本は学級数に応じて定数が決まる制度となっている。
  • 中学校ではより専門性が高い教育が必要ということで、学級数に乗じる計数が小学校と異なる。そのため中学校では教科担任制が敷けるようになっている。
  • 教員定数については、教員免許制とも関係してくる。中学校ではその教科の専門の免許。小学校で教科担任制にするとき、この免許制とも絡みも考えていく必要がある。
  • これまで学級担任制で長く続けてきた小学校の在り方をどう捉えるかにも関わる話。

詳細はまだ勉強中なので、ぼくの誤解があるかもしれませんが、同じロジックが高校についても言えるようです。高校は週15コマとか、小学校の25コマ以上などと比べてよほど空きコマがある場合が多いです。それはなぜなのか。専門性が高いからということのようです。

 

要するに、こんなロジックでしょうか?

小学校の先生は、それほど各教科の専門性は要らないよね~

だったら、授業準備も比較的ラクだよね~

だったら、定数上も中学、高校と比べて劣悪でいいよね~

 

この理屈、どう見てもオカシクないですかーーーー???

いまや道徳や外国語も入ってこようとしています。

9教科や10教科も教えて

(音楽や家庭科は専科の別の先生が教えてくれる場合もあるが、小規模校等ではそれもできない)

+学級活動や学校行事などもやる

+怪我も多いので子どもの給食や掃除、休み時間もしっかり見ておくことが多い

(+地域によっては小学校でも部活動も面倒見る)

 

これでは、小学校も過労死ラインを超える人が続出するわけだ。

それにどうですか、小学校も明らかに授業準備は時間かかりますよ~。

中学校や高校はひとつ準備すれば、それは5クラスとかに展開できますから、言ってみれば、効率的です。小学校の学級担任制ではそれはできず、毎回、新ネタ披露です。

むしろ小学校の先生のほうが専門性うんぬんは分かりませんけど、授業準備は時間がかかる場合も多いはず。

拙著『「先生が忙しすぎる」をあきらめない』でもいくつかデータを紹介していますが、愛知教育大学等の調査(2015年)によると、仕事の悩みとして「授業の準備をする時間が足りない」と答えた教員は、小学校94.5%、中学校84.4%、高校77.8%です。

もちろん、先生の仕事はやればやるほどという性格はあるので、時間が足りないという回答は多く出る傾向はあると思います。それにしても、この数字は高い。ほぼすべての小学校教員が授業準備の時間が足りないと言っている、というのは異常です。

だって、そうでしょう?

みなさんがかかっているお医者さんが、医学の最新情報を手に入れる暇なんてないよ、とほぼすべての方が言っていたら、この国大丈夫か?って思うでしょう!?

その中教審の場で僕は次の趣旨のコメントをしました。

  • 教員定数が教員免許や学校の在り方にも関わる話ということは理解しましたが、2020年度からの学習指導要領はこれまで例をみない大きな改革と聞いています。
  • この時期、いまが学校の在り方を含めて、定数の決め方も考える時期ではないでしょうか?

今日はこのへんにしますが、この問題は財源の制約もあるなかで、どうするか、よくよく作戦を練っていきたいと思いますし、問題提起や提案を続けていきます。

 

※教員定数については次の本をいま読んでおります。とってもわかりやすいです!

いま学校に必要なのは人と予算―少人数学級を考える

いま学校に必要なのは人と予算―少人数学級を考える

  • 作者: 山?洋介,ゆとりある教育を求め全国の教育条件を調べる会
  • 出版社/メーカー: 新日本出版社
  • 発売日: 2017/09/30
  • メディア: 単行本
  • この商品を含むブログを見る
 

★妹尾の本も引き続き応援よろしくお願いします。

★Amazonレビュー、みなさん、お手間ですが、どうぞよろしくお願いします!!!

「先生が忙しすぎる」をあきらめない―半径3mからの本気の学校改善

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思いのない学校、思いだけの学校、思いを実現する学校―変わる学校、変わらない学校 実践編【I】

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