「教職研修」という業界誌の最新号に投稿しました。学校に余裕を生み出す管理職の「コスト意識」という特集です。↓
開けてみてびっくり。充実した執筆陣ですね~。和田中や武雄市で教育改革を実践された代田さんや、リスクマネジメントや組体操で有名な内田先生の記事は、とくに読みごたえありました。友人の民間人校長の平川さんの記事も、現場からの具体的な、ビシッとした直言で、とてもよかったです。この号はお買い得かも。
僕のパートは全体の導入部分です。「もっとコスト意識をもたなければ」と感じている(あるいはそう言われている)校長らも多いと思うのですが、学校のコストとはどのように捉えたらよいか、ちょっと整理しています。
原稿に書ききれなかった点を補足しながら(2ページだけだったので・・・)、少し説明すると、コスト管理や効率化の議論では、大きなコストはどこか、見える化して、みなで認識することがスタートでしょう。その点、例えば、コピー用紙を節約するなどの努力は、悪いとは言いませんが、全体から見ると、大きな効果とはならないと思います。
学校で大きな比重を占めるコストと言えば、なんでしょうか?1年間に全国の自治体が支出した学校教育費(主に小中高)は、約13兆円(文科省、H26年度地方教育費調査)。そのうち、約7割は教職員の人件費です。これは、大部分が固定費ですし、学校が努力しても大きくは減りっこありません(人を減らすわけではないので)。そのため、学校はコストを意識しづらいのかもしれません。
とはいえ、同時に、このことは、人にかけている時間や労力が、学校の最大の資源かつコストである、と捉えることもできると思います。予算書や決算書には時間コストは出てきませんが、時間に非効率なところがあるとすれば、もったいないですよね。ちなみに、会議に出ていて、この人あんまり集中してない(頭働いてない)というのを見ると、僕はイラっとしてしまうのですが、時間コストに捕らわれ過ぎているのかな?
それはともかく、大きなコストは固定的な人件費なので、教員は普段はコストを意識しにくいかもしれませんが、単純計算してみると、中学校では1回の授業あたり平均で約4万円の税金が投入されています。あなたの授業は1回4万円の価値を出しているでしょうか?こうした身近な単位でコストを捉えなおすことも、よいことかと思います。
今回の特集では、僕の箇所のみ機会費用について書いています。これは、自分の霞が関での経験からも、学校の教職員や行政職員はもっと意識しておいたほうがよいと思ったからです。例えば、ある研修報告書を書くのに、あなたは1時間でできるが、新人のAさんは3時間もかかる。じゃあ、あなたがやったほうが早いからいいよね、とは必ずしも言えません。(あなたがAさんにはできないもっと付加価値の高いことをやれるなら、そっちをしてはどうでしょうか?)
そんな話を書いてみました。繰り返しますが、自分のはさておき、今回の執筆陣の記事は様々なヒントがあります、ぜひ手にとってみてください~。