妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

【感謝!】新刊『教師崩壊』にたくさんの感想をいただいております(1)

みなさん、こんにちは。いかがお過ごしでしょうか?コロナ禍のなか、健康で生きていられるだけで、ありがたいなあと思う日々です。

 

今月から、あるいは来月から、学校を再開する動きも広がりつつありますね。

長引いた休校明けで、いろいろな難しさやチャレンジがあると思います。不登校の子たちも増えるのではないでしょうか?

関連することは、ぼくのYahoo!ニュース解説や教育雑誌などでも発信していきたいと思っています。

 

さて、先日、いよいよぼくの新刊、『教師崩壊』(PHP新書)が発売になりました!

当初は4月中旬の発売予定で、3月終わりのギリギリまで修正していたのですが、コロナの影響で書店の閉鎖や本の流通にも影響がありまして、1ヶ月ほど遅れましたが、無事発売できました。

※概略はコチラです。

senoom.hateblo.jp

写真は、中学生の長女がつくってくれたPOP案です。ぼくの名前の漢字がちょっとまちがってますが、ご愛敬で(俊はぎょうにんべんではありません)。

 

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手にとっていただいた方々、ありがとうございます。幸い、Amazonの学校教育部門で1位になるほど、多くの方にご覧いただいています。ご感想、意見(ご批判を含めて)、レビューなどいただけると、一層うれしいです。

 

今週は、大竹まことさんのラジオにも出演し、大竹さんと壇蜜さんともこの本の関連することでトークしてきました。

※こちらのポッドキャスト(5月20日)でも、ご視聴いただけます。

www.joqr.co.jp

さっそく、感想も届きました。いくつかご紹介します(一部を抜粋)。

■内田良さん(名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授)


「めちゃくちゃ、勉強になった!」

「徹底して現場目線!」

「データ満載で 学校のいまがわかる!」

 

内田先生、ありがとうございます。お互い問題意識も年齢も近くて、盟友です。ぼくが新書で一般の方向けの本も書きたいなと思ったきっかけが、内田先生の名著『教育という病』(ちくま新書)です。

 

続いて、校長先生からも。

■市場達朗さん(大阪市立東小路小学校校長、元・大空小学校校長・教頭)


これまでの学校のあたりまえを見直すチャンスが今です。
豊富なデーターが盛り込まれ、判断の根拠が明確に表現されている本著です。
教育に携わる人として、現実から目を逸らさず、自分の足元を見つめ直す機会をもらえた一冊

 

■増渕広美さん(前・神奈川県立市ケ尾高校校長)


日頃感じていたことが客観的資料を用いて論理的かつわかりやすく書かれているので、一気に読み切ってしまいました。
しかも、ただ論じるだけでなく、歯に衣着せぬ提案をされていらっしゃるのは、さすが❗️です。
共感、同感の箇所が多く、読み終わってみると付箋いっぱい、メモいっぱいでした😅
御著の投じた一石が、日本の学校教育の転機、変革につながることを心から願っています✨

 

市場先生とは、映画「みんなの学校」の大空小学校を訪れたときに、ご一緒したことがあります。

増渕先生とは、「市ケ尾ユースプロジェクト」という、中高生と地域人材が一緒に地域課題を考えて、行動する探究的な課外活動を3年間、一緒に進めてきました。ぼくもNPOの立場から企画、コーディネート、中高生向けの研修などを手がけてきました。

 

教育委員会のかたからも感想をいただきました。

教育行政の立場として読ませていただきましたが、学校、教職員、子どもたち、保護者、教育行政それぞれに対応した内容だったと思います。

特に考えさせられたのは、「学校って何だろう」とあまりにも基本的なことかもしれませんが、当たり前すぎて見過ごしていた点、元教員として、疑問に感じていなかった点など、著書にあった「教師の感覚の麻痺」、「日本の教員ほどマルチタスクにやっている国はない」、「週休2日でなかった時代と同じ授業数をこなそうとしており、なおかつ質の向上を求められるため自ずと無理が生じる」ということは、漠然と感じておりましたが、先生がズバッと言ってくださった感があります。

国への要望、改善すべき点を明確に代案として記していただき、私も改めて方向性が見えたところであります。

人的支援により先生方の時間を生み出すことはとても重要だと思います。
しかし、最初の章にあったように、先生のなり手が激減しているのは事実です。

自治体も例に漏れず不足しています。倍率も小学校は特にここ数年は低倍率で、受ければ合格してしまうレベルです。

質の低下は避けられません。

だからこそ、質の高い教員研修やメンター研修が必要なのではないでしょうか。各学校でOJTを通じて正しい方向に導き、フォローを欠かさないことが大切です。

先生の著書を参考に、まずは「先生方が考える集団」になり、与えられたことだけをするのではなく、自分で良し悪しを判断し、創意工夫することを忘れてはいけないと感じました。

 

現役の教師の方からも感想をお寄せいただいています。かなり長文のかたも、どうもありがとうございます。

 

■岡崎博吉さん(大分県教育文化研究所理事長)


教育現場の実態がこれほどリアルに示された書籍は私も初めてでした。データはもちろんですが、我々教師の本質論まで踏み込んでいただいております。私も目が醒めました。

私がこちらの本に出会い、感じていることは、「教師崩壊となる前に、教師自身が再度ふんどしの紐を閉め直せ!今、教育現場で真に必要なことから目を背けずに、覚悟を持って挑め!」ということです。御著との貴重な出会いを無駄にすることなく、挑んで参ります。

 

■ある小学校教員のかた

 

①学校に勤めている全ての教員(正規・非正規ともに)に読んでほしい一冊です。「教師崩壊」には、現状の教員の問題点が詳細なデータとともに明確に示されているので、説得力があります。

学校現場には「自分の全てを子供にかける」思いを強くもち、プライベートの時間を削って働いている人がいます。しかし、教員の働き方に疑問をもっている人もいます。そのような同僚にオススメしたい、読んでもらいたい本です。

 

②教師不足については、毎年深刻さを増しています。妹尾先生のご指摘の通り、全国各地の学校で起きていますし、私の身近な学校でも起きています。まさに、パズルの穴を合わないピースで埋めているような状態です。

 

③教員の質については「教師の多忙化と育成不足の負のスパイラル」でおっしゃられている通りです。勤務時間中全て予定が埋まっていますし、休憩時間すら無い状況の中で、若手教員がベテラン教員の授業を見に行ったり、ベテラン教員や管理職が若手教員に対して研修を実施したりする時間が全くとれません

 

④「忖度する主体性」は、学校現場にぴったりの言葉です。特に同調圧力が強く、「例年通り」「伝統文化を引き継ぐ」「昔からやってきたこと」が先行して、新しいことにチャレンジしようと思っても実現しません。私は以前から「教室で掃除機を使えば衛生的かつ効率的に清掃ができる」と訴えてきましたが、令和時代になってもこの意見が通りません。

 

⑤「第3章 失われる先生の命」については共感するところが多く、私は一番関心の高い内容でした。なぜなら、私も心の病で休職をしたからです。 妹尾先生のおっしゃる通りに、過酷な労働で疲れ果ててしまい、様々なところで悪影響が出ています。これもある意味では、「教員の質の低下」と言えるかもしれません。

 

⑥ブラック校則、福井県池田町の中学校での過度の叱責、160問の算数の宿題のやり直し、教員間の暴力問題、わいせつ行為、指導死などについては、同じ教員として理解ができない事案ばかりですし、絶対にあってはならないことです。

 

⑦「第6章の教師崩壊を食い止めろ」については、実現できれば本当に日本の教育が豊かになるでしょう。たしかに学校は欲ばりすぎです。新型コロナウイルス感染症の蔓延で一斉休校が長期化したことをきっかけに、学校では何をスクラップするのか議論を進めています。日本の危機的な状況だからこそ、学校も教員も変わる必要があると思っています。

 

■和田慎市さん(高校教員)


 特に教師はもちろんのこと、教育行政関係者や保護者など教育に関わる方、さらには広く一般市民の方にもぜひ読んでいただきたい本です。

 タイトルからしますと教師の問題点を指摘したり、批判したりする内容を想像してしまうかもしれませんが、いたって建設的な内容の本です(近年、タイトルはどうしても注目されやすくインパクトのあるものになってしまう傾向があります)。

 

 私が評価する点は、この本が教育問題の書籍にありがちな、評論家による学校現場から乖離した理論的なものであったり、逆に主観・感情を前面に出したりしているものではなく、膨大なデータや聞き取りなどのエビデンスをもとに、論理的に述べられているところです。

 もちろん私のような泥臭い学校現場の教師から見ると、一部微妙に認識が異なる点が多少はありますが、逆に考えれば私の限られた実体験・実践の方が特殊であり一般的でないことも考えられます。


 特に最後の6章 「教師崩壊を食い止めろ」は是非読んでいただきたい部分です。

 これまで私は拙著や投稿記事、ブログなどで、「電話応対午後6時まで」「教師の仕事範囲を明確にする→教師の業務ではない仕事を明確に規則等で定め、世の中に周知する」「給特法の廃止、今回の変形労働時間制導入禁止」など、教師の労働環境の改善について具体的に主張してきました。
 著者が第6章で主張されている「欲張りな学校をやめよう!」は、まさしく私の考えとほぼ一致するものですが、その中身は私よりももっと具体的かつ説得力のあるアイデア・対策がいっぱい詰まっています。


 現在の政治や教育行政の現状を見れば、著者や私が考える改革はいばらの道かもしれません。しかし、学校教育や子供達・教師のために、これほどまで熱心に取り組まれる妹尾氏のような方がいるわけですから、私たち教師も足元から少しずつであっても粘り強く改革を進めるべきだと思うのです。
 そして1万人いや十万人規模の教員が動くようになれば、学校教育を大改革する力になると思うのです。
 

 教師の方はもちろん、日本の教育を良くしたい心ある方は、教育・教師の現状や問題点を的確に把握し、解決策を考え実行できるようになるためにも、ぜひ一度読んでいただければと思います。

 

感想をいただいたかた、またこのブログ、今回長文になりましたが、最後までご覧いただき、ありがとうございました。

教師崩壊 先生の数が足りない、質も危ない (PHP新書)
 

 

それから、ぼくの本はどれも思い入れがあります。どれもめちゃ気合い入れて書いていますので。『学校をおもしろくする思考法』も重版・3刷目になりました。こちらもどうぞよろしくお願いします。

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学校をおもしろくする思考法―卓越した企業の失敗と成功に学ぶ

学校をおもしろくする思考法―卓越した企業の失敗と成功に学ぶ

  • 作者:妹尾 昌俊
  • 発売日: 2019/07/12
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

時事問題、教育課題などについては、こちらでほぼ毎週(たまに毎日)のように発信中です。引き続きどうぞよろしくお願いします。

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