妹尾昌俊アイデアノート

妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

部活動の休養日は教育委員会が言わへんとできへんことなん?

今日はちょっと腹が立ったので、書いてみる。先ほど次のニュースを目にした。大阪府教委は多忙な教員の負担軽減のため、全府立高校と支援学校計182校で午後7時までに全校一斉に帰宅する日と、部活動をしない日を週1日設けるよう義務付けるとした

headlines.yahoo.co.jp

これについて、みなさんはどう感じただろうか?たとえば、

  • 教員の業務は別の日にしわ寄せがくるのではないか
  • 午後7時に一斉帰宅って、その時間でええんかい?(定時帰宅なら17時過ぎとかのはず)。保育園迎えに行くなら7時帰宅ならアウトやろ。
  • 結局持ち帰り残業になるのではないか
  • やっぱ部活は休みが統一されてよいのではないか
  • とくに府で統一してくれると、少なくとも部活の府大会レベルでは公平な環境になるのだから、よいと思う
  • 週1部活を休みにしたところで、ほかの日に多く練習させたら、結局は同じじゃないか

などいろいろな反応があると思う。こうした取組はやってみて、それでまたいろいろ検証したらよいと思う。

しかしだ。僕がもっと問題にしたいのは、わざわざ教育委員会が統一的にやらないと、学校の自助努力は進まないのか、という問いである。

教職員の労働環境を改善したり、職場の風土をよくしたりするのは、国から言われて、とか教育委員会に言われて、という世界の話ではないはずだ。

そんなことなら、校長はなんのためにいるんだい?って話じゃないか?(写真は部活の夕暮れの風景。あなたの学校で、置き忘れているものは、ボールだけだろうか?)

「部活が終わる夕暮れ時、置き忘れた硬球部活が終わる夕暮れ時、置き忘れた硬球」のフリー写真素材

 

そもそも部活は教育課程外なのだし、教育委員会が決めないとやめられない話ではない。各学校で休養日を設けたり、部活の数を減らしたり、いろいろ試行錯誤する(もちろん反対意見や保護者からのクレームもあるだろうけど)のが先だろうと思う。手当とか外部支援者に任せた場合の保険・保障問題などは、国や教育委員会が出てきて然るべきテーマだが、労務改善の多くは学校の裁量の中でもできることは多いはずだ。

結局、学校内外の合意形成ができずに、学校は決めたり、行動に移せたりできていないのか?決められないなら、なぜ管理職という職があるのか(管理していたらええだけとはちゃいまっせ)?

そんな学校で、正解がない、不透明な世の中をタフに、他人と協働して生きる子どもが育つのだろうか

 

僕が『変わる学校、変わらない学校』で教育委員会の取組をほとんど書かなかったのはページ数の上限の都合もあったけど、もっと大きな理由があった。国からの権限移譲とか、教育委員会の取組を待たずに、学校で工夫できることってもっとあるでしょう、と考えたからだ。

あなたの学校は、「できない、できるわけがない」と思い込んでいるだけではないだろうか?反対意見が来るからという理由で、ほかの方法や説得方法を立案しない思考停止になっていないだろうか?

このニュースを見て、僕は少し暗澹たる気分になった。”変わらない学校、変われない学校”のほうが多いということだろうか?

 

◎『変わる学校、変わらない学校』引き続きよろしくお願いします~

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