妹尾昌俊アイデアノート

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妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

【忙しい学校 どうする?】続:指導要録、通知表も変えられないか?

学校づくり 多忙化

おととい、指導要録と通知表作成の負担をもっと軽減できないものか、とつぶやきに近い投稿をしたところ、思いのほかコメントやいいね!(150以上)をいただいた。ちょうど3月でタイムリーに先生方は苦労している頃だと思う。成績を付けるのは、すごく丁寧にやって当たり前の世界だと思われてきたと思うが、本当にそこまで丁寧にやるべきなのか、費用対効果はあるものなのか、すこし疑問を投げかけたい。

senoom.hateblo.jp

指導要録は文科省のほうで参考様式を提示している。データは見つかっていないが、おそらく多くの教育委員会・学校がこれに習っていると推察する。が、参考なので、変更は不可というわけではない。

http://www.mext.go.jp/b_menu/hakusho/nc/attach/1293808.htm

 

安易に簡略化することがよいとは思わないのだが、学習指導要領改訂も見据えて、ここ2、3年が見直すなら、チャンスだと思う。

海外と比べると、日本の指導要録や通知表は、すでに非常に簡素だというコメントもいただいた。

一方で、やはり現場の負担になっているという話もある。教育社会学者の久冨義之一橋大学名誉教授は次のように指摘している。

学習評価は教育の重要な仕事であるが、そもそも「観点別」に評価しなければならない必然性はない。その4観点、たとえば「関心・意欲・態度」「知識・理解」「技能・表現」「思考・判断」(科目や学年段階によって観点の名称が変わるものもある)は、もともと人間の「もののわかり方」として相互に重なり合っており、別々ではあり得ない。・・・(中略)・・・「無用に煩雑な作業量」を押し付けるものである。

日本の教師、その12章―困難から希望への途を求めて

日本の教師、その12章―困難から希望への途を求めて

 

 

僕自身の立場はといえば、正直、迷っている。いくつか論点別にすこし整理したい。

 

①通知表や指導要録には、本当のところ、どんな効果があるのか

次期学習指導要領改訂に関する中教審答申(「幼稚園、小学校、中学校、高等学校及び特別支援学校の 学習指導要領等の改善及び必要な方策等について 」)の中から引用しよう。

「子供たちにどういった力が身に付いたか」という学習の成果を的確に捉え、教員が指導の改善を図るとともに、子供たち自身が自らの学びを振り返って次の学びに向かうことができるようにするためには、この学習評価の在り方が極めて重要

なるほど。指導の改善を図ることと、子どもにとっての振り返りとなるわけだ。後者については、たしかに通知表の機能もそんな気もする。

指導の改善という点では、負担軽減も大事だとしても、指導要録・通知表を今より簡素にすると、教師たちは、きめ細かく子どものことを見て、振り返る機会が減ってしまう、という見方がありそうだ。

しかし、一方で、子どものことをきめ細かく見たり、改善を図ったりするのは、日常の授業等でやっているのであって、指導要録等があるからではない、という反論もありそうだ。実際、とくに小学校の先生等は、子どもの宿題やノートなどを細かく見てコメントを返しているような例もある。そんな一生懸命な先生なら、指導要録があろうがなかろうが、子どものことはある程度はわかっているはずだし、日常のなかで学習評価はしっかりやっているとも考えられる。

なので、この論点をもう少し分解すると、指導要録や通知表があるおかげで、どのくらい指導の改善や子どもの振り返り効果が高まっているか、ということだろう。

この点について、本音ベースの議論がどれだけできているのだろうか、疑問だ。指導要録なんて形骸化しているという現場の声はたびたび耳にする。指導改善への効果があるなら、形骸化とは言わない。

 

②仮に簡素にするとすれば、どの点ができるのか

ひとつは、先ほどの4つの観点別評価をどうするかという点にあると思う。ただ、次期学習指導要領のもとでは、3つに整理されるようだ。先ほどの中教審答申から再び引用する。

小・中・高等学校の各教科を通じて 、「知識・技能」「思考・判断・表現」「主体的に学習に取り組む態度」の3観点に整理することとし、指導要録の様式を改善することが必要である。

ふむふむ。ちょっとは簡略になりそうだ。この点を見越して、来年度から指導要録を整理しなおしてもよいかもしれない。

ただ、まだモヤモヤするのは、教科や学年によっては、「知識・技能」と「思考・判断・表現」は一緒でもいいんじゃないかな、とも感じる。2分割するのは、知識と活用力という頭の整理だと思うが、知識なしで活用だけできるというのも少ないだろうし。このへんは僕は詳しくないので、専門家や現場の声としては、いろんな考え方があると思うのだが、どうだろうか???

もうひとつは、5段階などの評価のところではなく、文章記述のところだ。これは指導要録については情報開示請求がくることもあるので、大変気をつかって書いていると思う。かけている時間、負担と効果との見合いで考えると、もっと簡略でもいいんじゃない?という意見も出てきそうだ。どうだろうか?

 

③ちょっとした点で負担を減らす工夫はできないか

Facebookでコメントをくださったある中学校では、来年度から、通知表は普通紙でプリントし、クリアファイルに入れて渡す方式にするそうだ。1年間一枚の通知表に印刷するのは、位置合わせなどけっこう神経を使う作業。ちょっとした気づきと改善だと思うが、いいアイデアだと思う。

 

とくに結論はでていないが、以上3点について、現状のままのやり方が必ずしもいいとはかぎらない。ぜひいろんな知恵、アイデアを出せたらと思う。

 

◎『変わる学校、変わらない学校』引き続きよろしくお願いします~

 

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