妹尾昌俊アイデアノート

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妹尾昌俊アイデアノート~ステキな学校、地域、そして人たち

元気な学校づくりと地域づくりのヒントをお届けします!

50年前から変わらないもの:ポールマッカートニー・吉永小百合・学校の先生の時間外手当

NHK朝ドラの「ひよっこ」を楽しみに観ています。

ちゅらさんと似ているなと思っていたら、脚本家の方が同じだったんだ~。今回の舞台は茨城県(ついに!)の田舎。ときは1965年。うちの親父と主人公は同世代(2歳ちがいぐらい)だわ、ビートルズの話が出てきたときに気づきました。

ちなみに、話はまた学校についてになりますが、最初の教員勤務実態調査が行われたのは1966年

この時代から変わらないのは、ポールマッカートニーと、吉永小百合と、学校の先生の時間外手当の3つである、とわたしは言いたい。

正確に言うと、公立学校の教員の時間外勤務手当は支給されておらず、その代わりに給料月額の4パーセントに相当する教職調整額というのが支給されるという制度となっています。

それで、なぜ4%なのかといえば、1966年に行われた教員勤務実態調査で、時間外勤務は1週間平均で小学校 1時間20分、中学校2時間30分、小中平均1時間48分というのをもとに計算した額だそうです。

 

※詳しくはこちらが参考になります。

(文科省のページ)

http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/031/siryo/07012219/007.htm

(Teach for Japanの松田さんのブログ)

yusukematsuda.blog.jp

みなさん、どう思いますか?・・・聞くまでもないかもしれませんけど。

この4%の根拠、1週間の平均残業時間ですよ。いまや1日でも2時間以上残業している人のほうが多いですよね?

実際、文科は、40年ぶりの2006年にも大規模な調査をしました。そのときも、先生たちの残業はもっと多いということは明らかになりました。平均して1日約2時間の残業が恒常的に発生していることが調査で明らかとなったのです。

それで有識者会議などをやって、この4%の制度を見直すことも議論されたようなのですが、財源のせいが大きかったのだろうと思います、結局制度改革は進みませんでした。

(報告書はこちらにアップされています)

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/kyuyo/

 

それで、きょう飛び込んできたニュースはこちら。2016年度の公立小中学校教員の勤務実態調査についてです。学校現場の事態はさらに悪化しているという結果が出ています。

文部科学省は28日、2016年度の公立小中学校教員の勤務実態調査の速報値を公表した。中学教諭の約6割が週60時間以上勤務しており、過労死の目安とされる水準を超過。

・・・

調査結果によると、教諭の平日1日当たりの平均勤務時間は小学校で前回調査から43分増の11時間15分、中学で32分増の11時間32分だった。小学校では33.5%、中学では57.6%の教諭が週に60時間以上勤務し、20時間以上残業していた。これは厚生労働省が過労死の労災認定の目安としている月80時間超の残業に相当する

中学教諭6割が過労死ライン=月80時間超相当の残業-授業、部活増加・文科省調査:時事ドットコム

 

これを受けて、

文科省は「学校が教員の長時間勤務に支えられている状況には限界がある」として、中央教育審議会に改善策の検討を諮問する

とのことですが、ほんとに大丈夫でしょうか???

  • 4%の調整額はこのままじゃアカンやろと強く思いますが、結局財源の話になって、2006年頃と同じ轍を踏むことにならないでしょうか?
  • 中教審から改善策が出てくるなら、新学習指導要領で学習内容や小学校の授業時数を増やすのをやめるべき、部活動などの記述も指導要領上の位置づけも中途半端なまま、と思う現場の方は、多いと思います。こうした声にちゃんと答えられますか?
  • 文科省や中教審に期待することは、各学校の判断で薄めてもよいことをもっと明確に発信することです。そこを「カリキュラム・マネジメント」とか言って、各学校任せとして明言を避けるのはダメだと思います。
  • 「教育効果があるからやってもよい」というロジックでは、教職員の仕事は増えるばかりです。教育効果があるからと、生産性や時間対効果を軽視する風潮、信念、信仰は、はっきり言って、学校教育畑にずっといた人にはとても強いように思います。本当に中教審から改善策は出てくるのでしょうか、心配。。。
  • 同時に、せめて、先生たちがまともに休憩、休息をとれるようにするべき。掃除の時間や給食の時間までずっと1人の担任が面倒をするというのはオカシイと思いませんか?土日も部活でつぶれるのもヘン。さらに言うと、小学校は学級担任制のままで、産休・育休の先生も増えている昨今、本当に持続可能なのでしょうか?
  • 財源も伴う話にはなると思いますが、ビルド&ビルドのままでは、教員数は少子化に伴い減少するのですから、そりゃ多忙は加速します。たとえば、小学校も中学校も、3~4人の先生で2クラス担任として見る仕組みにしてシフトを組むくらいでもよいかもしれない。あるいは、生徒指導担当教員の加配を増やして、生徒指導かんけいの仕事(保護者との話も含む)は学級担任から大幅に離す(情報の共有は必要だけど)。プリントの印刷や表計算ソフトでの集計など、教員でなくてもできることは、アシスタントさんを雇って依頼する。
    ※こうしたことはいきなり全国でやるのは危うい。一部の地域でやって、ちゃんと研究者の先生たちにエビデンスベーストで検証してもらうべき。
  • とはいえ、財源や国の動きばかり期待しても、現場はすぐにはかわらないので、すでに学校の判断でできることも多いのだから、それは前進させたい。いくつかアイデアはこのブログでも発信していますし、これからもお話していきます!

 以上、走り書きですが、考えたいことをメモしました。ご意見などお待ちしています!

 

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★多忙化に関する関連記事はこちらにもあります

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