8月は怒涛のごとく講演・研修をやっていました(お盆前後は徳島に帰省してゆっくりしました)、9月に入って、少し落ち着いてきました。
※写真は熊本の山鹿での校長等向け研修のあと。
伝統の渋うちわを名前入りでいただきました。
栗川さん、山鹿のみなさん、ありがとうございました!
先日は、各種報道されていましたが、中教審で学校における働き方改革に係る緊急提言が出ました。ぼくも一委員として、事前の案にかなりたくさん意見を述べました。
※このブログは、みなさんの関心を高めたり、議論を喚起したい目的で書いていまして、妹尾の個人的な意見、感想です。中教審を代表するものではもちろんありません。
報道では、軒並み「学校にタイムカードを」ということがえらく強調されていますが、個人的には、そこばかりに注目されてほしくはありません。もちろん、時間管理と把握は大事なので、タイムカードやICカードはぜひ入れてほしいとは思っていますが。
※緊急提言を含む資料は下記にアップされています。
学校における働き方改革特別部会(第3回) 配付資料:文部科学省
※こちらのニュースにちらっとぼくも出てます(友人に教えてもらいました)。
※新聞記事の例
僕にとって、思い入れがあり、みなさんにもちょっとでも読んでいただきたいのは、1ページ目です。
教職員の長時間勤務の実態が看過できない状況であり,授業改善をはじめとする教育の質の確保・向上や社会での活動を通じた自己研鑽の充実の観点からも,学校教育の根幹が揺らぎつつある現実を重く受け止めるべきであり,「学校における働き方改革」を早急に進めていく必要がある。
この箇所です。
なぜ学校に働き方改革が必要なのかを書いた箇所。
授業改善や自己研鑽の充実のためにも、時間を生み出す必要があるよね、というわけです。
ここはさらっと流されそうな箇所ですが、実は文科省や教育委員会の多くは、これまで「先生たちに子供たちと向き合う時間をもっと確保しよう」と呼びかけてきました。しかし、この記事一番下の関連記事や妹尾の新刊にも書いているように、子供と向き合おうとすぎたあまり、長時間労働は加速してきた側面もあるのです。
だから、今回の提言では、「自己研鑽の充実の観点からも」という言葉が入ったのはよかったと思います。子どもと向きあうだけでなく、むしろ教師が自分と向き合う時間、自分のための時間が必要と思います。それが結果的には子供たちのためにもなるのです。
また、この文章では、「学校教育の根幹が揺らぎつつある現実を重く受け止めるべき」とも書いています。実はこの文言はぼくがコメントして反映してもらった箇所です。まだ舌足らずかもしれませんが、危機感を共有しておきたく、このような表現を提案しました。つまり、教員という人が最大の資源の学校教育において、その人がないがしろにされていたんじゃ、どんな理想の高い教育を目指してもダメでしょう、という問題意識です。
先日、世界的なベストセラー&ロングセラーの『7つの習慣』を読んで、学校の働き方改革やチーム学校について考える研修会に参加してきました。
7つの習慣のなかでは、金の卵を産むニワトリの有名な話を引用して、成果(金の卵)を重視しすぎて、資産・能力(ニワトリ)をないがしろにしてはいけない、という話が出てきます。
まさにこれまでの学校運営や教育行政は、学力を高めよ、〇〇教育をしっかりやろう、生徒指導も頑張ってと、学校や教職員に金の卵を求めてきたわけですが、ニワトリを痛めつけたままで本当にいいの?ということが問われていると思います。
そんな関心をもって、タイムカードも大事な話ですけれど、ぜひ忙しい方も最初の1ページ目もご覧になってください。
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